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習副主席『特例会見』　『ポスト胡』へ権威付け　(記錄時間：2009-12-16)

中国の習近平国家副主席（５６）が十五日、従来の外交慣例を破る形で特例的に天皇陛下と会見したことで中国側は、胡錦濤国家主席（６６）の最有力後継候補として、習氏の存在を国内外にアピールするとともに、中国共産党内での習氏の権威を高めることにも成功した格好だ。一方で、会見をめぐる日本国内での論争については静観の構えを貫いている。 　中国のポスト胡錦濤レースは、高級幹部子弟グループ「太子党」の代表格で共産党内序列六位の習氏と、胡主席と同じ共産主義青年団（共青団）出身で同七位の李克強副首相（５４）が有力候補とされている。現時点では習氏がリードしており、順当なら二〇一二年の次期党大会で国家主席に就任するとみられている。 　中国側が今回、天皇陛下との会見にこだわったのは、習氏を有力後継者として演出する必要があったからだとみられる。胡主席も副主席時代の一九九八年の訪日時には天皇陛下と会見しており、今回も前例を踏襲しようとした形だ。中央テレビは、天皇陛下と習氏が握手する映像を流したほか、新華社通信も好意的に報じた。 　また皇室との関係強化により、一二年の国交正常化四十周年に合わせ、皇太子さまの訪中を実現させる狙いもありそうだ。 　一方、習氏の訪日について、中国外務省の姜瑜副報道局長は同日の記者会見で「中日両国とも非常に重視しており、戦略的互恵関係の一層の推進に重要な意義がある」と強調。 　さらに姜副局長は、「天皇の政治利用」をめぐる日本国内での論争に対しても「日本側は（習氏の）訪日を周到に手配してくれた。念入りな準備の上で行われ、すべてが順調に進んでいる」と評価。日本での論争が中国国内に波及し、歴史認識問題の再燃など対日関係の悪化を避けようという狙いがあるとみられる。

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